悩むことは楽し
前回更新のコーアクシャルの記事を書いていて思い出したことがありました。
まだ時計の脱進機に関する理解が浅かった頃、「アンクルとガンギ車は、
どうして振動で噛み合わせが外れてしまったりしないんだろう?」
ということをずっと考えていました。
私が初めに脱進機の動きを見たとき、下のような図だったのです。
(Flashが閲覧できる環境でご覧ください)
この図ですと、下手にアンクルが動かないようにするストッパーが書かれて
いないため、脱進機としては正常に機能しません。
過去、ここで躓いてしまっていたのでした。
周りに訊ける人もおらず、本もほとんど持っていなかった私は自ずとネットに
頼ることになるのですが、しかしそこでも検索キーワードに何と指定すれば
よいか分からない。
バラせるムーブも工具もなかったため、これまた困ってしまいました。
結局、解決にたどり着けたのはオメガのコーアクシャルの図を見てのこと。
「他の脱進機はどうなっているんだろう」と頭を捻ったのが功を奏しました。
当時は、時計に振動が加わると下のようになるとばかり思っていました。
「うーん、何故だろう」
コーアクシャルの図を立体で考えて、頭の中であれこれ動かすと・・・
「あー、分かった! この棒がストッパーかー!」
これで解決しました。
初めに見たクラブツース脱進機の図には「ケン先」と「小つば」が
描かれていなかったのです。
やれやれ・・・
のちに基礎時計読本でしっかり知識を入れることができたのでした。
そもそも部品1つ1つ、その形、全てにしっかりとした説明を
つけられなければ存在しなくてもよいものなのです。
あの時のように、自分で疑問を感じてそのことについて考えて考えて、
それで答えを見つけることができた時の充実感は何事にも代えがたい。
やはり知的探求というのはこうでないといけません。
「悩むことは楽し」
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