シーマスター プラネットオーシャン レビュー 諸機能クローズアップ
オメガ シーマスター プラネットオーシャン クロノのレビューの続きです。
と、その前に、
オメガに直接訊かないと分からない点がありましたので、
それについてサービスセンターに問い合わせてみました。
質問1:タイムグラファーに掛ける際の拘束角は何度か?
回答:「非公開です」
通常のスイスレバー式だと拘束角は52°が殆どなのですが、コーアクシャル
脱進機は違います。
下のPDFを読む限りベースムーブメントのCal.8500は38°のようですので、
おそらくCal.9300も38°でしょう。
質問2:カレンダー切り替えの際、操作禁止時間帯はあるか?
回答:「ありません」
通常、カレンダーの切り替えは午後9時から午前3時には行ってはいけません。
この時間帯は、カレンダー板が切り替え歯車と噛み合っているため、そこで
無理に動かしてしまうと破損してしまうためです。
ですが、プラネットオーシャンのカレンダー切り替えは、短針だけ1時間ごとに
動かせるタイムゾーン機能を使って針を回して日付を変更させるので、操作禁
止時間帯がないそうです。
これは地味ですが安心ですね。
質問3:オーバーホール代はいくらか?
回答:「オーバーホールの基本工賃は¥57,750です」
当然これは現在の金額であり、将来的に変更もありえるし、状態によって
いくらでも変わるかと思います。
ですが、一応の目安を知ることができました。
クロノグラフですのでやっぱり結構なお値段はします。
質問4:オーバーホール時、針は必ず交換するか?
回答:「交換の必要性が無い場合は交換しません」
たしか、塗装の薄いスピードマスターの針などはオメガでは使い捨てるという
のを聞いたことがあるのですが、シーマスターのように大きくてポリッシュ
された針は再利用するのですね。
やっぱり、分からないことは当事者にスパっと訊くに限ります。
頭を捻っていても無理なものは無理ですから。
あと、ラバーベルトの金額も知りたくて聞こうと思ったのですが、
これはお店側のブログで「ラバー¥24,000 バックル¥30,000 計¥56,700」
というのを見つけましたのでオメガには問い合わせはしませんでした。
さて、ここらでプラネットオーシャンの細かい部分をクローズアップして
みたいと思います。
■エクステンション付きバックル
これはウエットスーツの上からでも付けられるようにバンドを25mm延長させ
る機能が付いたバックルです。
通常この状態が
このように。
普段はバックルの裏に折りたたまれていまして、
必要になったらパチっと簡単に展開できます。
この機能は本当にダイビングする人向けですね。
クリック感も小気味よくて実にしっかりとした作りです。
■2色のスーパールミノバ
ダイバーズの時計はベゼルに目盛がふってありまして、このベゼルの基準を
分針のところにまで回転させ、ダイビング時間を知るために使います。
主に酸素ボンベの残量を憶測するのに役立ちますね。
ですので、時間が延長されてしまうような右回転はできません。
もしベゼルが右回転するようなダイバーズがあったら、それは「なんちゃって
ダイバーズ」です。
この新型プラネットオーシャンは、ベゼルの基準と分針だけが緑色に発色する
ようになっています。
写真を撮ってみました。
なんかビックリするくらいバッチリ撮れましたが、
このように緑色に光ります。
光量も凄い!
明るい!
■簡単バンド調整のスクリュー&ピンシステム
プラネットオーシャンのバンド調整は本当に簡単です。
バンド側面にネジがあり、それを外してやると太目のピンが中に入っている
だけです。 圧入などはされていません。
まぁ、片側だけネジを取ってもピンは引き抜きづらいので、左右のネジを外す
ことになりますが、それでも従来の留め方からしたら楽ちんです。
必要な道具は2mmのマイナスドライバーだけ。
傷も殆ど付かないでしょう。
ピンを入れる方向もないし。
どうやら、この機構はオメガの特許らしいです。
こんなにシンプルなのに・・・
うーん、うまいことやりましたね(笑
■日付のクイックチェンジ
先日、カレンダーに目をやったら日付がパチッと変わるのを目撃しました。
プラネットオーシャンのカレンダー切り替えはクイックチェンジなのですね。
面白かったので動画を撮ってみました。
6時位置のカレンダー窓にご注目。
OMEGA seamaster planet ocean chrono (Cal.9300) – quick date change
オメガのHPによると、午後11時30分頃にカレンダー切り替えが開始され、
その後30分は終わろうとしている日付が半分隠れている状態が続き、
午前0時の前後10分間にカレンダーが切り替わって新しい日付が表示される
そうです。
動画を撮ったときはジャスト0時で切り替わりました。
こりゃスゲー!
さてさて、
過去3回にわたってシーマスター プラネットオーシャン クロノ Cal.9300の
レビューを行ってきました。
この時計の事に関しては、当ブログを見て頂ければ全てが分かるレベルにまで
持っていきたいのですが、まだまだ時間が必要なようです。
そろそろ別の話題も書きたくなったので、また面白いことを発見したときに
でも記事にしようかと思います。
今回はここまで。
コメント
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コメント (4)
いつも拝見しております。
今回の詳細画像の数々は将来購入の参考になりました。
ところでバンド調整のピンですが、GSの金属バンドも全く同じで、両側からビスでフタをする形になっています。(ビスの長さも目測ではほとんど同じような感じです。)
ご存じなのかな?とは思ったのですが、オメガの特許だとするとセイコーは使用料を払っていることになるので、気になりコメントさせていただきました。
TORY様
コメントありがとうございます。
スクリュー&ピン システムですが、このような構造のブレスレットは
他社の時計にもあるのでは?と思っているので自分も気になっています。
この「オメガの特許」という情報ソースは、オメガHP内の記述です。
プラネットオーシャン 007 スカイフォール
“patented screw-and-pin bracelet”
www.omegawatches.com/gents/product-presentations/planet-ocean-skyfall
シーマスター レディース コレクション
“OMEGA’s patented screw and pin system bracelets”
www.omegawatches.com/ladies/product-presentations/seamaster-aqua-terra
この文章を発見してから、本当にそうなのか特許文章を探しているのですが、
残念ながら、まだ見つけられていません。
私自身も、この疑問点はぜひ解決したいと思っています。
NEEZ様
コメントありがとうございました。
思いつきで写真を1枚撮ってみました。
www.dropbox.com/s/127s80x5pjq3dfv/DSC02121.jpg
微力ながらもご参考になれば幸いです。(^^)
TORY様
わざわざお写真まで撮っていただいて恐縮です。
確かににシーマスターのブレス構造と同じですね…
もしかしたら、オメガが取得した特許ではあるものの、
もう有効期限である20年が経過しているため、
セイコー側も自由に使っているということも考えられます。
実際にセイコーが採用している脱進機まわりのエタクロンも
ETAの特許でしたし。
この件について、セイコーのお客様サービスに問い合わしている最中です。
ですが正直、返答さえ帰ってくればラッキー程度に思っています。
さて、どうなりますでしょうか。