フィリップ・デュフォー氏、自分の漫画でにっこり
先日、クロノスのメールマガジンにて、
2015年5月10日、独立時計師のフィリップ・デュフォーさんをお招きし、
時計ジャーナリストの広田雅将さん司会の元でイベントが開催されるとの案内を
受けとりました。
当ブログをご覧の方はおそらくフィリップ・デュフォーさんはご存知かと思います。
彼が作りだした「シンプリシティ」は日本で大成功しました。
当初は100本しか制作する予定はなかったそうです。
しかし、時計雑誌「世界の腕時計」を発行する株式会社ワールドフォトプレスから
2000年度ウォッチ・オブ・ザ・イヤー プレステージ部門金賞の表彰を受け、
2001年、2002年でシンプリシティの需要が急増!
急遽、生産数100本の予定から200本に変更された経緯があります。
ですのでシンプリシティは、送り出された200本のうち120本が日本向けに販売。
その売上のせいか分かりませんが、氏の所有している車が
マツダの古いワゴンからレクサスのRXになっていました(笑
そんなフィリップ・デュフォーさんの仕事風景は
YouTubeでも見ることができます。
私が好きなのはこちら。
Philippe DUFOUR – Complications sans compromis
時計に向き合う真剣な目。
その場の空気感が伝わってきます。
こちらはミニッツリピーターのゴングを
ジュウ渓谷の湖畔に自生している葦「ジャンシャン」で磨いている様子。
ちなみに、パーツを磨いているジャンシャンはリンドウ科の高山植物で、
セイコーのクレドールでも仕上げに使っています。
セイコーはこのジャンシャンを北海道の医療大学が薬品として栽培しているのを
分けてもらっているようですね。
日本から来客や贈り物が多いのか、作業場には扇子が。
そしてデュフォーさんはおもむろに1冊の漫画を取り出します。
そこには漫画のキャラクターになったデュフォーさん本人が!!
思わずニッコリ(笑
実はこの本、私の手元にもあったりします。
それがこちら。
リンク先で書かれていますが、「学研 まんがでよくわかるシリーズ」は、
書店等では販売されない、全国の小学校と公共図書館に寄贈されている本ですが、
内容は実に真面目で、時計の基本的なことが丁寧に絵描かれています。
子供向けの本と侮ってはいけません。
物事を順序立てて、質問に答えるように進んでいくストーリーなので
時計の歴史や機構、その魅力がすんなり頭に入ってくるのです。
本当に能力のある人は、難しいことを簡単に分かりやすく説明する、
という言葉を思い出しました。
(逆に大人向け教材などは、簡単なことを難しく説明する・・・)
タイミングが良ければヤフオクでも1000円以下で出品されていますので、
気になる方は検索をかけてみてはいかがでしょうか。
フィリップ・デュフォーさんはこの本でスイス時計の案内役のような立場で登場。
シンプリシティも紹介されています。
動画内でもこのコマを指差していますね。
自分やスイス時計産業の様子が、地球の反対側で漫画になっていることに
満面の笑みを浮かべるデュフォーさん。
なんと、ご自分が出ている殆どの記事をスクラップ保管されているようで!
それは日本の雑誌が殆どで、日本での彼の成功を物語っています。
欧州の方も、自分の作品が品質に厳しい日本で受け入れられているというのを
現地メディアに誇らしく語っているのを時折目にすることがあります。
例えば、チャーチ、ジョン・ロブなど、イギリス・ノーザンプトンの高級革靴は
日本での評価が高く、その3分の1は日本向けであったりとか、(BBCニュースより)
木のおもちゃを手作業で作っているオーストリアのヴォーグヴォッター社は、
「日本の皇室でプリンセスに使われている」と現地メディアに報道され
倒産を免れたとか。
これは海外で評価の高い白鳳堂の高級化粧筆とかの逆バージョンでしょうか。
やはり、自分の作ったものが知らぬ間に異国の地で評価されているのいうのは
相当な驚きと嬉しさに溢れたインパクトなんでしょうね。
ちょっと羨ましくもあります。
というわけで、今回は近々来日するフィリップ・デュフォーさんの
日本との関わり合いが感じられる動画のご紹介でした。
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