アドリア海の銀線細工「ドブロブニクのボタン」
以前、銀線細工(フィリグリー)についての記事を書きました。
今回は、私がその銀線細工にハマるきっかけとなったペンダントを
ご紹介いたします。
確か2011年ころ。
NHKの「世界ふれあい街歩き」という番組で
クロアチアのザグレブ・ドブロブニクの街並みが紹介されていました。
アドリア海に面したその旧市街は「アドリア海の真珠」とも称され、
それはそれは美しい街です。
スタジオジブリ作品の「紅の豚」の舞台を思い浮かべて頂ければ、
青い海とレンガ造り家という美しい街並みが想像できますでしょうか。
そのドブロブニク旧市街には、伝統工芸として銀線細工があるのです。
こちらがその「ドブロブニクのボタン」
地域によっては、今でも結納の品として花嫁に捧げる習慣があるそうです。
実は、私がこのドブロブニクのボタンを入手するまでには、
ちょっとしたドラマがありました。
まず、ドブロブニクのボタンですが、
他の国の銀線細工と同じく完全な手作りです。
それゆえ大量生産ができません。
しかもクロアチアの国家資格を持った銀線細工職人は3人しかいません。
さらに販売方法が少し特殊で、基本的に職人さんのお店に並んでいる商品は
売り物ではなくて見本。
お客は「これが欲しいから作ってほしい」と注文をする形になるのです。
で、出来上がったら取りに行く。
このような形態なので、日本で販売するには現地まで買い付けに行かなければ
なりません。
私がNHKの番組を見て「この銀線細工が是非欲しい!」と思ったときには
タイミングが悪く、日本に輸入しているお店さんには在庫が無かったのです。
どうしても欲しかったので私はお店に納期を尋ねました。
すると「次回の買い付けまで数か月」というお返事。
普段から、やたら納期のはっきりしない時計というものに触れていますので、
正直そんなに待たなくて済むと思いました。
よかった・・・年単位じゃない(笑
早速、注文。
ところがです。
ここからがサプライズ。
お店の方が「地球の歩き方arucoという雑誌の取材スタッフが
現地クロアチア・ドブロブニクで銀線細工のお店を取材している」という
情報を仕入れ、この編集社の方にコンタクトを取り、現地で買い付けた品を
日本まで送って頂けるよう頼んでくださったのです。
これには驚きました。
ネット通販というものは相手の顔が見えませんので、ともすれば煩雑な対応に
なりがちですが、こうした柔軟性がありスピーディーな対応をしていただけた
ということに驚きと感謝を感じ得ずにはいられませんでした。
ネットショップ「アドリアの真珠」の吉澤様には本当に感謝しています。
という訳で、そんなに時間を空けずに無事ドブロブニクのボタンを手にする
ことができたのでした。
そんなエピソードがあってか、
私は銀線細工に少し特別な感情を抱いているわけです。
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