エピラム処理をやってみよう その1 処理液の準備
時計のオイルを拡散させずに留めておくための「エピラム処理」
材料が揃いましたので、早速実践テストしてみましょう。
まずは処理液の原料である「ステアリン酸」
ステアリン酸を溶かすための「無水エタノール」
JIS規格でステアリン酸は「エーテルに溶けやすく、エタノールにやや溶けやすく、
水にほとんど溶けない。」と記述があるようですので、
今回はベンジン(石油エーテル)ではく、エタノールを試してみます。
ビーカー、シャーレ、薬さじ、混ぜ棒、薬包紙。
0.01g単位で測れる精密電子はかり。
と、これらの材料と道具で処理液を作ります。
最初に行うのはステアリン酸の計量ですね。
時計修理技術読本では「0.08~0.09g」とありましたので、
今回は効果を大げさに確認したいので0.09gで行います。
耳かきのように小さい薬さじで少しづつ測ります。
0.09gの量は大体このくらい。
ステアリン酸が用意できましたら、次はそれを溶かすエタノールを用意。
量は100ccとのこと。
ちなみに下の写真は200ccのビーカーです。
ステアリン酸は砂糖のようにサッと溶けるわけではありません。
ですので、混ぜ棒で押しつぶしながら十分溶けるまで混ぜます。
結構まぜまぜしたのですが、やはり溶け残りは出てしまうようですね。
この混ぜ残りが部品に付着してしまうのはマズいので、
上澄みだけをそっとシャーレに移して使いましょう。
容量としては80~90ccくらいを使う感じです。
今回はシャーレに移しましたが、本当はベルジョンのベンジンカップが
いいかもしれません。
ですがアレ、高いんですよね・・・
もっと安ければいいのに、とボヤキ。
そして、こちらが出来上がった「エピラム処理液」です。
無色透明。
匂いはそのまんまエタノールの匂い。
さぁ! 処理液が用意できました!
事の他、エタノールだとステアリン酸を溶かすのに時間がかかった印象です。
今度から溶剤にベンジンを採用します。
それ以外は特に問題ナッシング。
では次回は、実際に処理を施すことにしてみましょう。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (2)
初めまして
マニアックな内容に惹かれました。
時計修理技術読本を探して幾千里、やっと横浜市立図書館で見つけました。
全ページの半分はコピーできるとの説明で、図書館のコピー機で必要なページをコピーしました。コピー費用約5,000円で、コピー中は確かめもせず終わって帰り着いて見てみると異常に薄いコピーでした。トナー経費節減で濃度調整せずにコピーすると薄い設定になってしまうようになっていたようです。福岡市から息子の東京の住居に遊びに行って福岡に帰ってから気がつきました。目をこらして想像しながら読んでいます。年間目標の進み具合はどうですか?
中山様
コメントありがとうございます。
やはり時計関連の書物はなかなか見つからないので苦労しますね。
そういえば以前、時計師の方と時計修理技術読本について話し、興味深いことを教えて頂きました。
どうやら時計修理技術読本は工具のGEM社がいかに素晴らしいかを推している節があるので、GEM関連の記事では話半分で読み進めてしまって構わないそうです。
自分の時計自作計画ですが、ちょっと寄り道をしている感じです。
昨今、和装に凝りだしてしまい和服を自分で縫っているのですが、その和装と時計趣味を融合させるために帯に懐中時計を提げるための根付と組紐の制作に取り掛かっています。
最終的に和服、根付、組紐、時計の自作ができたら最高ですね。
それと先日、セイコー・クレドールの元デザイナーさんと個人的にお会いし、ドレスウォッチについて意見交換をしました。
これは人生においてベスト3に入る大変濃密な時間であったと思います。
最近更新をサボっていますが、今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。