腕時計の大型化と機能的恩恵 1
少し前からのトレンドで、腕時計の大型化があります。
最近は少し落ち着きましたが、それでも、大きい腕時計に抵抗を持つ人が
少なくなりました。
女性が大型の時計を嵌めたり、腕時計のムーブメントに懐中時計用の
ムーブメントを搭載したり、また、腕廻りのインパクト抜群な50mmサイズ
の時計が登場したり・・・
このような近年の腕時計の大型化はデザイン的側面からでしょうか?
いいえ、機能的な面でも、腕時計もといムーブメントの大型化にはメリットが
あります。
メリットその1:ロングパワーリザーブの実現
簡単に言うと、時計の動力時間を長くできることです。
ご存じのように、機械式時計はゼンマイのほどける力で動いています。
このゼンマイの長さ(ほどけきるまでの時間)が時計の動力時間なのですが、
当然、腕時計は腕に嵌めるものですから、そのゼンマイを収めるスペースには
制限があります。
大抵の手巻き時計の動力時間は、せいぜい40~70時間ほどです。
極端に言えば、3日も経てば止まってしまいます。
では、長く時計を動かすにはどうすればよいか?
答え:「ムーブメントを大きくして、長いゼンマイを収めればよい」
もう一つ踏み込むと、
「長いゼンマイを収める場合は、完全に巻いた状態と、ほどけきる直前では
パワーがかなり違うので精度が安定しない。だったら、そこそこの長さの
ゼンマイを2つ用意して時計に収めればよい」
つまり、時計を長く動かしたいのならば、ムーブメントを大きくすればよい
のです。
IWC ポートフィノ・ハンドワインド・エイトデイズ (IW510103)
8日巻き 45mm
(写真:読売新聞 2011年2月16日 夕刊)
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