シチズン『カンパノラ』にラ・ジュー・ペレ製の機械式ムーブメントを搭載
ちょっと面白いニュースが飛び込んできました。
いよいよシチズンのブランド「カンパノラ」から、以前傘下に収めた
スイス「ラ・ジュー・ペレ」社の機械式ムーブメントを搭載したモデルが
発売されるようなのです。
『カンパノラ』
~ラ・ジュー・ペレのメカニカルムーブメント搭載のモデルが登場~
2014年8月上旬発売
citizen.jp/topics/2014/20140618.html
『NZ0000』
いやー、これは興味深いことですねー。
ラ・ジュー・ペレを傘下に収めた直後は、「もしかしたらシチズンに搭載される
かも」と、期待半分、面白半分に言われていましたが、まさか本当に搭載して
くるとは・・・。
正直、シチズンは(というか日本の会社は)やらないだろうなと思っていました。
こうなってくると、ラ・ジュー・ペレのどのキャリバーを積んでくるのか
俄然興味が湧いてきます。
というわけで、調べてみました。
まず、シチズンのHPでどのようなムーブメントを搭載しているかを確認します。
ふむふむ。
Cal.Y531なる自動巻きのようです。
では、「Cal.Y531」をGoogleに検索をかけてみます。
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結果は、シチズンのモデルしか出てきません。
どうやら、これはシチズン向けの品番のようです。
仕方がないので、ラ・ジュー・ペレの単語「La Joux-Perret」を
Googleにて画像検索をかけ、このカンパノラのモデルの特徴である
12時位置にカレンダーのある、同じような他の時計を探してみました。
すると、ありました!
ウォルサムの「サー ウォルサム」です!
レイアウトが全く同じですね。
では、このサー ウォルサムのキャリバーはなんでしょうか?
「La Joux-Perret Cal.3513」
なるほど。
Cal.3513というムーブメントなんですね。
さらに続けて「Cal.3513」をGoogle検索にかけます。
出ました!出ました!
Lajoux Perret 3513 11 1/2 TOP rhodié
どうやらCal.3513のスペックは、
直径25.6mm、28,800振動、21石というものらしいです。
ですがそこで、もう一つ面白い記述を発見!
「Calibre : Lajoux Perret 3513 TOP nickelé sur base 2892A2」
!?
ETA2892-A2ベース??
ちょっと画像を並べてみるか・・・
こちらがラ・ジュー・ペレのCal.3513
こちらがETAの2892-A2
あー、コレは確かに同じですわー。
ETAの2892-A2はコーアクシャル脱進機を乗せて
オメガのCal.2500というムーブメントにもなっていますね。
うん、同じ。
ということは、大きな改造点はカレンダーとパワーリザーブですかね。
例えば、オメガのCal.2500を搭載している「シーマスター アクアテラ」は
カレンダーはシングルディスクで、位置は3時です。
対して、カンパノラ「NZ0000」やウォルサム「サー ウォルサム」は
ダブルディスクで12時位置となっています。
これはラ・ジュー・ペレ「Cal.3513」の文字盤側
カレンダーの変更とパワーリザーブの追加が見てとれます。
どうやら全貌が明らかになってきましたよ。
まとめると、
カンパノラのNZ0000に搭載されている「Cal.Y531」は、
ラ・ジュー・ペレがETA2892-A2をベースにパワーリザーブを付け、
カレンダーをダブルディスク化し12時に配置した「Cal.3513」を
さらにシチズン用にカスタムしたもの。(石数21石→25石など)
と結論づけることができました。
ベースはETAですが、カスタムが実に真っ当です。
小手先だけの変更ではありません。
気になる値段は¥530,000(税抜)もしくは¥500,000(税抜)ということですから、
内容からみると、これは大変良心的ではないでしょうか。
いやー、これは面白い製品ですよ、シチズンさん。
2014.7.28 追記
文中に「ETA2892-A2ベース」と書きましたが、
どうやら、正しくは「セリタSW300ベース」だそうです。
ソース
bizmakoto.jp/style/articles/1407/18/news151.html
セリタ社は時計の心臓部であるムーブメントの製造会社で、
特許の切れたETAムーブメントの代替機を製造しています。
ETAのCal.2892-A2の代替機はセリタではSW300と呼ばれ、
昔はETAを搭載していたモデルが、今ではセリタに置き換わっていることも
よく聞かれるようになりました。
例:IWC、フレデリックコンスタントなど
ちなみに、ETA代替機のセリタ互換は以下のようになっています。
ETA2824→セリタSW200 (3針センターセコンド、8振動、自動巻き、デイト)
ETA2836→セリタSW220 (3針センターセコンド、8振動、自動巻き、デイト)
ETA2834→セリタSW240 (3針センターセコンド、8振動、自動巻き、デイデイト)
ETA2892A2→セリタSW300 (3針センターセコンド、8振動、自動巻き、デイト)
ETA7750→セリタSW500 (6針クロノグラフ、8振動、自動巻き、デイト)
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