ガラス管オイラーを作る。 後編
今回の更新は、前回の続きです。
ガラス管とシリンジノズルを使った自作オイラー制作の後編。
さて、ガラス管の処理ですが、シリンジノズルにスッポリと収めるために、
差し込む方の角を削って落としましょう。
角を落とせれば道具は何でもいいのですが、ここではドライバー研磨用の
インディア砥石を使います。
ゴリゴリ・・・
出来ました。
まだ荒いので、仕上げにアルカンサス砥石で磨いてもよいかもしれません。
とりあえずノズルを付けてみましょう。
サクっと
完成しました!
もっと長くても良いのですが、自分はこれくらいの長さが好みです。
このような感じで使います。
そして、肝心の注油精度はというと・・・
キター!!
バッチリですよ!
凄い! 想像以上の扱いやすさ!
本当に、一度使ったらピンタイプには戻れません。
余りにも注油精度が高いので文字も書けます(笑)
(爪楊枝の先端と比べて)
うむ。
ガラス管オイラーは実に良いものだ。
とりあえず駆け足で完成させましたが、これはあくまでも試作品です。
問題は山積していて、これを1つ1つ解決していかなければなりません。
現在挙がっている一番大きな問題点は、ガラス管のサイズそのものです。
後から発覚したのですが、実はシリンジノズルの差し込み口の内径は
4.2mmだったのです。
それでいて、近いサイズのガラス管は既製品で外径が4mmしかないのです。
ですので、ほんの僅かな隙間が存在することになります。
これを、どうにかしてピッタリに収めないことには後々オイル漏れが生じます
ので対策は必須。
解決方法ですが、いくつか候補を挙げてみました。
・4.2mmのガラス管を手配
・4mmガラス管の先端を溶かしてからノズルに差し込み、隙間を埋める
・5mmのガラス管を4.2mmまで削る
このうち、2番目の「ガラス管と溶かしてからノズルに差し込む」というのを
やってみたのですが、初めはうまく行きました。
しかし1時間ほどして、溶かした部分が勝手に弾け飛んだのです。
特に触ってはいません。
ただテーブルに置いておいただけで、自然と。
接合部分がガラスとステンレスなので、やはり、冷えたときの形状変化で
無理な圧力がかかってしまったのでしょう。
もう、先端は粉々です。
しかも、これ1本だけではなく作成した3本とも、ヒビもしくは自然粉砕が
起こったので、根本的にこの方法は無理だと悟りました。
次に、5mm管を削るという選択肢がありますが、これは旋盤でガラス管を
回して手バイト、という方法しかやりようがないと思うのですが、旋盤を
持っていないので却下です。
最後に一番簡単な「4.2mmのガラス管を手配」ですが、実はこれが一番厄介
なのでした。
どこのガラス屋を覗いても4mm管しか置いていないのです。
仕方ないので、試しに以下の寸法でフルオーダーの見積もりを取ってみま
した。
外径:4.2mm
内径:1.2mm(又は1.0mm)
厚み:1.5mm(又は1.6mm)
長さ:120mm
本数:20本
なんと、見積もりが10万円と出ました。
最初に問い合わせた所が品質重視の工業系のガラス会社だったので、
このような金額になってしまったのではないかと思うのですが、
とにかく金額が想定外です。
あと数社、メールで問い合わせており返答待ちなのですが、本当に4.2mmが
無い。基本、オーダーメイド。
これは困った・・・
まだ本格的に業者をあたっておりませんので、可能性はあると信じたいです。
その他の問題点を整理すると、このようになります。
・23G(0.63mm)ではノズルが太すぎる
・ガラス管の内圧を保つためエンドを塞がないようにする
・オイルの充填方法の確立
とりあえず、ガラス管型オイラーの有用性は確認できましたので、
これらを解決していき、満足のいくように改良していきたいですね。
多分、「ガラス管オイラーを作る。リベンジ」として記事は続くと思います。
コメント
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コメント (5)
耐油の液体ガスケットで隙間を埋める、とうのはどうでしょうか?
実はこの記事に刺激されて僕も作ろうと思っていますが、ノズルとの接合は液体ガスケットを使って、ガラスの頭はふさがずにコルクで栓をしようかなと企んでます。
やって見ないとうまくいくか判りませんが、参考まで!
どもどもさん
コメントありがとうございます。
隙間を埋める方法ですが、時計屋さんで聞いたところ、
三栄水栓製作所や株式会社カクダイなどの「シールテープ」を使っているとのこと。
これですと簡単にノズルの取り外しもでき安価、オイルも侵さないようです。
それとこの記事の後、自分もガラスの頭も塞ぐのをやめてみました。
ガラス工房でも材料を成型後にそのまま冷やすのではなく、少し温度の低い炉の中で冷却をしないとガラスは破損してしまいます。常温では急激に冷えすぎてしまうのです。
オーブンを予め高温で焼いておいて余熱で冷却するのはどうでしょうか?
私も興味があるのでリベンジお願いします。
確かにガラスにヒビが入るのが頻発しておりました。
ガラス管メーカーの方も「ゆっくり冷却しないと、まず上手くいかない」とおっしゃっていました。
結局、こちらのガラス管オイラーですが、エンド部を閉じてしまうと内部の密閉された空気のせいでオイルの出入りに支障が出るので、結果的に切りっぱなしにしています。
肝心のオイラーへのオイル充填方法ですが、シリンジノズルの先端にオイル滴を当てる感じで触れさせると毛細管現象で中に吸い込まれていきまので、これを数回繰り返してやると上手くいきます。
ちょっと、代用オイラーの記事を探していたのですが、こちらにたどり着きました。
もしやと思い、コメントしました。
仕事で以前ロットリングという図面の線を引くペンを使っていたが注射針よりも細いものもあったと記憶しています。
昔使っていた0.3mmのペンで試して見たくなりました。ただし、プラスティックで出来ていますのでオイルの成分によってはだめかもしれませんね。
参考になるかどうかわかりませんが、とりあえず、気になってしまったもので、あしからず。