ETA2892-A2の調速
前回の「ETA2892-A2 テンプ&ヒゲゼンマイの交換」に続いて、
今回は調速をしていきたいと思います。
例によって素人の調整なのでその辺はご留意を。
まずはタイムグラファーに掛けてみます。
おぉぅ・・・
グラフがメチャクチャ。
(本来は横一直線が正しい)
逆に、これをどこまで追い込んでいけるか楽しみですね。
さて、色々いじった感じ、グラフがちゃんとした線になっていない場合、
ヒゲゼンマイの外周が正しい円を描いていないと上の様な破線になってしまう
ようです。
ですので、正しい円にするためヒゲ持ちを回転させて修正してやります。
ピンセットで挟みながら、ちょいちょいっと回します。
どうでしょう?
とりあえずは線になりましたね。
でも今度は二重線です。
調べてみると、これはヒゲゼンマイと緩急針(2本のヒゲ棒)の当たり方が問題
なようですのでとりあえずは、ヒゲ棒のアオリ(間隔)を調整します。
エタクロンはヒゲ棒のアオリを簡単に調整できますから楽でいいですね。
緩急針の頭を回すだけです。
今回のケースは、アオリを広げてやると1本線に改善いたしました。
ここで注意点。
ヒゲ棒のアオリは、本来できるだけ狭いほうが姿勢差も、主ゼンマイが解けたときの
等時性も良くなるそうですので、ここでは二重線を消すための一時的な処置として
触りました。
次回、ちゃんと姿勢差を考慮して精度を追い込む時に、再度アオリを狭くする
予定です。
ちなみに先ほどの測定で1.2msの片振り(ビートエラー)も出ていましたので、
これも改善してしまいましょう。
片振りはテンプが左右に均等に触れていないということですので、
ヒゲ持ちの位置を調整します。
どちらに方向に動かせば良いかは、実際に触ってみないと分かりませんので
これは適当に動かしながらタイムグラファ―を確認することになりますね。
片振りが0.0msになったところで、今度は日差の調整です。
「-14s/d」
これは「1日に14秒遅れる」ということですので、緩急針を動かして進み傾向
にします。 先ほどのアオリ調整とは違い、今度は緩急針自体を動かします。
緩急針を動かすことによってヒゲゼンマイの有効長を変える事ができ、
日差を調整できるわけです。
今回は遅れ傾向でしたので、ヒゲゼンマイの有効長を短くする方向
(下の写真では右側)に動かします。
うん、「日差1秒進み」になりました。
グラフも横一直線で及第点。
ふぅ。
とりあえずはこんな感じです。
テンプ交換後の大まかな調整だけでしたが、まぁ、これで良しとしましょう。
次は、時計をどの方向に向けても平均的に、
かつ遅れが出ないように調整したいですね。
ポイントは、広げたヒゲ棒のアオリを元の狭さに戻すことだと思っています。
これは多分、ヒゲ持ちと緩急針を回転させて調整するのかなぁ?
今回残した課題ですね。
よく、調速は「経験と勘が頼り」と言われていますが、
ならば経験を積んで、その経験に裏付けられた勘を養ってしまえばよいと思います。
その為に買った訓練機です。
もし壊したとしても、直せばいい
どうにも直せないなら買えばいい、
買うお金がないなら稼げばいい、
稼げないなら稼げるように頭を体を鍛えればいい、
あとは時間とヤル気です。
大人になったら、時間は自分で作り出すもの。
ヤル気。
何を志して本気になるかは、正にその人の生き方そのものではないでしょうか。
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